背景知識の有無で、意見が真逆になることの見本
このニュースは興味深かった!
なにがって、受け手の反応だ。
これは読み手の背景知識で印象が大きく変わる記事である。
具体的には、「キダタロー」と言えば「なにわのモーツァルト」と答えられるか否かで、印象が大きく変わってしまうものだ。
あんまりボケを解説するのはよくないけど、キダタローをよく知らない人にデイリーのボケを説明すると、
・まず「大物作曲家」イコール「なにわのモーツァルト、キダタロー」というボケがつかみ
(ここが背景知識のある人には「この記事はおふざけですよー」っていう情報になる。なんでキダタローやねん)
・タイトルに批判と苦言ってあるのに、ものすごく愛のある誉めっぷり
(誉めるにしてもここまで丁寧に誉めるとは思わなかった。すごいさわやかに裏切られた感じ)
・最後に、「でも、外見が大嫌い!」って落として、読み手が「なんで音楽の話とちゃうねん!」とつっこんで幕引き
(キダタローがプロレス的に怒り出すネタは関西圏の番組ではけっこうお馴染みのもの。真剣に取らない)
そういう感じのネタ記事である。
で、ここに寄せられたブコメの反応が面白い。
はてなブックマーク - エンタメ - ピコ太郎に大物作曲家が苦言「腹立つ」「大嫌い!」 (デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース
「キダタローおもろいわー」と、おふざけ記事と読み取った主に関西圏の人間には笑いをもたらしてくれたようだ。
一方で、情報が伝わらず、怒り出す人が何人もいた。
cutplaza : 褒めてますやん。デイリーが貶したいだけですやん。“「言葉とリズムとセンスが組み合わさって、非常にセンスをお持ちですね」” / はてなブックマーク
いや、本気で貶したかったら誉めてるとこもカットしおるでー。
hatehateyahoo : Yhooニュースのクオリティの低さ・・・。タイトル煽りが酷いからもう見ない。 / はてなブックマーク
ヤフーやなくてデイリースポーツのネタ記事やでー。
hatebukk : タイトルで誤認を誘導しています。こういうの本当によくない。法律で裁いてほしい。 / はてなブックマーク
ホンマごめんなさい。代わって謝るんで許してやってください。
これは、 無知なのが悪いとか言いたいわけではなく、不幸な出会いだっただけだ。
大物作曲家キダタローが出てきたら、 デイリースポーツの通常の読者はまず真面目によまない。
(てか、 デイリースポーツ自体がそんな真面目なものとちゃいますから……って、これも背景知識かな)
そのふざけた情報がYahoo!ニュースに載って、普段の読者層以外にも拡散してしまった。
そうなると、 「ニュース記事が釣りタイトルで印象操作を行った!」と受け止められる。
そりゃ、怒って当然です。
釣りタイトルはよくないと思うし、テレビ番組の焼き写しとかってどうなのって思うし、お怒りはまったくその通りです。
ただ、テレビ番組をなぞっただけとかデイリースポーツらしいし、タイトルもこのネタなら釣りタイトルで書くしかないでしょ。
「キダタローがPPAPを絶賛。ただ外見は否定」なんて普通に書いたらキダタローのボケを全殺ししてまうでしょうよ。
でもなあ、難しい問題だなあ、これ。
ダチョウ倶楽部の上島が「押すなよ押すなよ!」って言ってるのを後ろから押して、みんながゲラゲラ笑ってるところに、「押すなよと言っているのに押すのはかわいそうだ。やめるべき」って言われたら困る。きっと上島竜兵が一番困る。
でも、背景知識のない外国人とかだったら、イジメに映るんだろう。
そういう他者の誤解を全部配慮した上で生きていくのは、私にはちょっと息苦しいな。
↓脊髄反射で脳みそ1グラムも使わずにコメント書いた後、他のブクマの反応に動揺する30代男性の見本。
こんな大物に目を付けられたらおしまいだー。(とれとれぴちぴち)/え、待って、これ完全にネタやん。誤認を狙ったとか、そんな賢いもんちゃうやろ……。 / “ピコ太郎に大物作曲家が苦言「腹立つ」「大嫌い!」 (デイリースポーツ) - …” https://t.co/Oi5P0wRLAf
— 大砲さん (@goodtaihoudai) 2016年11月24日
よかったらフォローしてね!