『あさひなぐ』ネタバレ警戒しつつ布教活動
『あさひなぐ』とは、小学館漫画大賞を受賞した、スポ根なぎなたマンガである。
かなり大きい賞を受賞しているのだが、いまいち知名度が足りない。私も全巻買いそろえており、新刊が出るたびに飛びついて買うマンガの一冊になっているのだが、読んでいる人がまわりに少なすぎる。「あさひなぐ熱すぎるぜ!」とトークで盛り上がる人がいない。なので、小学館に宣伝しまくっていただいてドンドンと広まってほしいのだが……。
最近、スマホ広告でこんな宣伝画像が――
違う! 違うって!!
おいいいいい、なんだその恋愛マンガはッ!?
こんな台詞出てきてもねえし、彼のためにがんばる話でもない。この宣伝文句を作った人は読んだことあるのかよ。読んだ上でこれなら商業主義的すぎて頭にくるわ!
と、ムキキキーってスマホの画面に噛みつくほど憤ったのでこの場を使って、あさひなぐを紹介する。
スポ根もスポ根、スポ根の超王道を突き進む感じ。題材がなぎなたという少しマイナーな競技であるが、そこには部活に取り組む高校生の姿が、ありのままに描かれている。超人的な技や力などは存在しない。むしろ主人公は文化系であり、マイナスからのスタート。そんな主人公が天性の素質などなしに、一歩ずつ部活動の中で成長をとげていく話である。
……なので、地味。
とくに1巻はなぎなたの説明もあってすごく地味。主人公も、美人とかかわいいとか言うわけではないメガネ少女で、1巻を読んだ人はたいてい「地味」「薄味」という。1巻だけを読んで「なんでこんなのが大賞?」とか言っている人もいた。
これが変化していくのが3巻あたりから――なのだが、そこで劇的に変化というほどでもない。熱いものはこみ上げてくるのだけど、「試合で決勝ゴール!大勝利!」なんて盛り上がりではない。じわりとこみ上げるだけだ。
4巻もそう。ぐっとくる。5巻も6巻も。さらにその先の巻でも、何度も。
そう、この何度もが異常なのだ。
熱いものがこみ上げる展開が何度も何度も丁寧に描かれる漫画。
このぐっとくるのが続いた結果、だんだんと主人公から目が離せなくなる。7巻になるころには、あの地味すぎたはずの主人公が話の中心となり、これがもう最新刊になれば主人公としか言いようのない存在となって物語を動かしているのである。
派手さのないスポ根成長物語である。
丁寧に作られているため絶賛されると言うよりも、じわじわと褒められるような作品。そのじんわりとした褒めたくなる感情が積み重なって、こんなレビューを書かせたり、小学館大賞の受賞につながったりしたのだろう。
こういう成長ものが好きな人はすぐにハマるだろうが、ど派手に惹きつけるわけではないから、なかなかハマらない人もいるだろう。そういう人には「なぎなたマンガの良作」としてこれをオススメしたい。5巻あたりまで、とにかく身構えて読むほどでもなく読んでほしい。もしかすると、うまく感覚が合ったなら、あさひなぐは人生に残るレベルの作品になる可能性がある。
以上をまとめると、「5巻あたりまで気楽に読んでね」ってことである。
あさひなぐ面白い。
大砲さんは、あさひなぐを応援してます!
……で、普通はここでamazonアフィリエイトとか置くんよね。
ブログ初心者なのでいまいち分からない。なので、お手数ですが各自検索してamazonとかに飛んでくださいませ。